世界で一番推しが好き!

たのしいおたくのせいかつ

科白劇「刀剣乱舞/灯」

綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶

タイトルなっが。ネタバレしてます!

 

 

このご時世ですが、現地まで行きました。それについてはまぁ賛否あるにしても別の話として置いておいて、これは感想のみの記事にしてます。一応観に行ってから潜伏期間は既に経過していて、私も周囲の人も平熱すこぶる元気です。

 

感染対策としてはこれ以上ないんじゃないかってくらい厳重に、慎重に、やりすぎって言われるレベルで行われていたと思います。入場列もソーシャルディスタンスを守って、ロビーが密にならないように入場人数にも制限をかける。入場前もロビーの中にもいたるところにアルコールと次亜塩素酸が置いてあって、入場前は靴裏の消毒と検温も徹底して行われていました。ロビーも物販もパンフしかないし、みんなそのまま着席するので全然混みあわなかったし、着席しても1人での観劇がほとんどだと思うので開演前でもシーーーーーーンッ……って会場は静まり返っていました。まぁ喋る必要が全くなかったもんな。

私も開場時間くらいに合わせて新幹線で品川駅に到着、そのまま入場して、観劇して、終わったらそのまま品川駅から新幹線に乗って帰るって感じだったので、マジでほとんど家出てから帰ってくるまで声を発することがなかった。「袋あるのでいらないです」って言ったのが唯一東京滞在時間の間に発した声ですわ。ステラボールにはいろいろ言いたいことはあるが、この新幹線のターミナル駅の目の前という立地だけは評価できる。

だから個人的には感染リスクのあるような行動はとってないつもりだし、自分でもできるだけ消毒手洗いはこまめにして、行き帰りの道中も相当に気を付けるようにしていたので、これでかかったらもはや運ゲー以外のなにものでもないなって感じ。

 

 

で、本編の感想。

本当に「普通に刀ステだった」としか言いようがないくらい普通に刀ステでした。ソーシャルディスタンスを守って、様々な制限がある中で、こんなにも当たり前に舞台が作れるのかと感動というか感心というか感嘆というか……。

科白劇という形態自体がそもそもどのようなものなのか想像できなかったこともあります。朗読劇とは違う「科白劇」、しぐさとセリフの劇がどのようなものなのかも分からなかったし、事前にソーシャルディスタンスを守った状態でのお芝居で~とか、いつもと違った舞台になるであろうことを想像しながら行ったら、まぁ~~本当に刀ステでした。

勿論、先の通りソーシャルディスタンス厳守、向かい合うときも立ち位置をずらしたり、出捌けも重ならないようにかなり緻密に作られていたと思います。加えてアンサンブルさんがいないので、殺陣はほとんどが映像とエア殺陣。全員が接触することもなく近づくことも一切ないのに、演劇としての不自然さや違和感がほぼないんですよね……。

末満さんのことだから、この状況を言い訳にするようなお芝居を作ることなんてまずないと思っていたし、絶対科白劇すごい!と言わせるようなものになるのだろうとは予想していましたが、ここまで当たり前みたいに「普通の演劇」になるとはちょっと思っていませんでした。

ソーシャルディスタンス云々って話がなくても、そもそも「演劇」って例えそこに何もない誰もいないとしても、あらゆる空間や位置関係を観客が想像することで当たり前に理解するものなんですよね。例えば、後ろや隣にいる相手に話しかけている時に正面(客席側)を向いて話しても、それを「この相手に話しかけている」と想像することって、今まで私たちが観劇するときに当たり前に働かせていた想像力・理解力だと思います。触れていなくてもこの仕草なら触れている、向いていなくてもこの流れならそちらを向いているって、その当たり前の想像力・理解力を当たり前みたいに利用して、ソーシャルディスタンスを守ったとしてもそこには当たり前のようにいつも通りの「演劇」を成立できるっていうのは、なんていうか、あんだけどうなるんだろうってソワソワしていたこっちの心配が恥ずかしくなるというか……そりゃそうだわそれが「演劇」だったわ、みたいな気持ち。

立ち位置をずらしたりすることは話に聴く限りは他の舞台でもやっていたし、科白劇だけがすごい!みたいな話ではないんですけど、この当たり前の想像力・理解力がこのご時世に注意しなければいけないことに対して、逆に当たり前に利用できるって、それこそ演劇の力なんじゃないかなぁ。

あと講談師さん。とはいえやっぱり想像力・理解力に頼り切りにされるのもどうかと思うし、どうしても補いきれない部分だってあったと思うのですが、そこを補うための講談師さんだったのかなと私は思いました。特に殺陣。エアになった分どうしても足りなくなってしまう迫力やスピード感を講談師さんの畳みかけるような語り口が見事に補っていて、本当にドキドキして手に汗握るシーンになっていたのが本当にすごかった。講談ってあまり触れたことがなかったけれど、やっぱりプロの方の引き込んでくる力って物凄かったです。たまにメタっぽいセリフはどうなんってなったけどそれは脚本の話なので……。

 

 

今回は薩長熊本を舞台にした細川ガラシャ、そして細川忠興の物語でした。

ガラシャが歴史遡行軍の手によって生きながらえたことによってガラシャは忠興を憎み、忠興はガラシャを憎み、お互いが激しく強い人間だったからこそ、憎み合い愛し合った物語でした。2人が再会し、憎しみと愛情を交わすシーンがあまりにも良すぎてもうボロッボロに泣いたんですけど、マスクしてると涙が全部マスクに吸収されてマスクがびっしょびしょになるんですよね……どうでもいい話をしてしまった。

ガラシャと忠興って本当にお互いがお互いでなければならなかった、荒々しく激しい忠興には強くて毅然としたガラシャでなければダメだったのに、その激しさと強さのせいでお互いを憎み合うことになってしまったのが本当に苦しくて切なかった。あれだけ強いガラシャが贖罪を忠興に求めたことも、あれだけ激しい忠興がガラシャを手にかけることができなかったことも。

義伝のときの早乙女じょうじさんの忠興もめっちゃめっちゃ良くて、歌仙とのシーンが本当に好きなんですけど、今回ガラシャの最期のシーンでその義伝のセリフがリフレインして、それもめちゃくちゃ泣けてしまった。薩長熊本での忠興は義伝の忠興とは別の人だけれど、どの時間軸であれ、歌仙兼定細川忠興の愛刀であったことは変わることがない、忠興に愛された心が歌仙の中に生きているのも本当に本当に良かった。

忠興とガラシャガラシャと地蔵兼平、そして忠興と歌仙。今回はいろいろな形の愛の物語だったように私は思いました。

 

サブタイトルの「記憶」通り、「別の本丸の薩長熊本の特命調査の記録(記憶)を辿る」というのが今回のお話で、時間軸としては既にこの本丸では薩長熊本は解決済みなので、自分たちの特命調査とその「別の本丸の特命調査の記録」を辿りながら比較していく……という感じ。

最初は頻繁に「僕たちの特命調査と同じだ」というセリフが入るのですが、少しずつ「ここは違う」となる箇所が増えていき、後半ではほとんどその「同じ」とか「違う」という観点が入ってこなくなるのがめっちゃめっちゃ気になるんですよね……どこが違ってどこが同じなのか、ここが所謂「綺伝」の本筋となる箇所なのだと思います。

特に黒田官兵衛もとい黒田孝高タイムリープの記憶を持つ歴史上の人物ってもうどう考えても伏線でしかないじゃん!怪しませるだけ怪しませといて何にも解決しないままじゃん……絶対綺伝でなんかあるじゃん………。

話それるけど今回の歴史上の人物は高山右近が好きです。細川家強火オタ(言い方)めっちゃ良かったし、ただ2人が好きなだけだったのに忠興に誤解されているのもガラシャに気持ちが届かないのも切なかった。右近結局どっちなんみたいな感じだったけど、私は右近にガラシャへの恋愛感情は全くない、ひたすらに親愛と尊敬のほうが右近の誠実さが出て好きだなぁと思います。

あと円環の取っ掛かりになりそうな伏線も山ほどあって、はい!次回ですね!かしこまりました!(大の字)って感じ。刀ステはまだまだ続くぜ!

 

概ねめっちゃよかったー!って感じなんですけど、唯一どうしてもどうなん…って気持ちが拭えないのがガラシャの最終形態ですね。あまりにも中の人のオタクに忖度しすぎのビジュアルじゃない??ってすごいスンッ……ってなったんですよね………せめて髪の毛はストレートであるとかそこまでのガラシャの面影はちゃんと残っているものであってほしかった。末満さんがお好きなのも知ってるけど、ホントなんだったんだアレ。そういうための舞台じゃないでしょ。めっちゃ冷めた。

 

刀剣男士もめっちゃ良かった。新しい子が多かったけど、比較的長義や歌仙に遠慮がなくて、だけど気遣いができて頭が回るタイプが多かったから人間…じゃない刀剣関係がとても円滑だったように思う。

個人的には慈伝のラストでちょっとは丸くなったかもしれないと思わせておいた山姥切長義さんが最高に尖っていて最高でした。右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ!!(殴る)のくだりほんと好きすぎてあと10000万回観たい。歌仙よりゴリラだったもんな。座り方もガラ悪すぎなのが良すぎてオアーーーッってなったし、亀甲とにっかりのノリにマジレスしちゃうのも良かった。何気にツッコミが不在なんですよね今回の本丸。

亀甲さんと長義の椅子の座り方については考えた人に特別手当をあげてほしい。マジの天才。天才過ぎてハ????ってなってしばらくあのシーンの会話頭に入ってこなかった。永遠に椅子に座っていてほしい。

あと篭手切江くんが、あんまり後輩っぽくなくて、割と歌仙とかにも対等に接してる感じが私はめっちゃめっちゃ好きでした。顔も可愛いし、可愛い顔して飄々としてる感じがすごい良かった~。

 

 

長いけどこっから推しの話します。

ゲネの写真見てウワーッってなって泣いたクチなので、これ舞台に立ってる姿観たら正気でいられないんじゃないかって思ったんですけど、思ったよりそんなことはなかった。って書くとすごい情のないような感じになっちゃうけど、実際「推しが舞台に立ってる」ってことに感極まって涙が流れたのはカテコの時かな……。

というのも、第一声があまりにも推し。

刀ステ自体のストーリーにめちゃくちゃのめり込んでそういうのを考える暇もなかったというのもある。ここまでがあまりに推しに関するもろもろがめちゃくちゃドラマチックだったので、何かお芝居も劇的に何か違うかもしれないみたいな予感があったのかもしれない。だけどあまりにも普段通りの推しのお芝居で、あ、推しだわ、という感情がね、最初に湧いてしまったので……。

それが悪いって話じゃなくて、むしろ、どう観ても推しのお芝居なのに、ちゃんと亀甲貞宗のお芝居であったことにめちゃくちゃ驚いたんですよね……推しは2.5舞台でも、キャラクターに自分を寄せるってよりは自分にキャラクターを上乗せするって感じのタイプのお芝居をすると私は思っていて、その上乗せした亀甲さんと推し自身がこんなにもきれいに混ざり合うんだって思って、今までの舞台がダメとかそういう意味ではないことはご理解頂きたいんですが、いつもの推しのお芝居なのに、今までやってきた2.5舞台と全然アプローチが違うように観えて、ハァ~~~~~すっごい……って心を持ってかれてなんか逆に涙が全然でなかった。ただただウワーッすごい!って感動してた。推しが刀ステの舞台に立っていることよりも、ここに来てこんなにも推しのお芝居に新鮮に驚けたことが本当にうれしかったし、観ていてずっとワクワクドキドキしていました。

あと、一番良かったというか、ここは泣いたポイントなんですけど(?)、推しの動きがめちゃくちゃ二次元っぽくて泣いた。何言ってるのかわからないと思うんですけど、とりあえず公式ダイジェストを観てほしい。ターンひとつにしても、ちゃんとマントを手で持ってきて顔を残して、絵的にすごく美しく見えるようにくるっと回ってて、ウワ~~~~~2.5の動きをしている………!!!!カテコでもお辞儀をして捌けるときに同じようにマントがひらっと広がるように手で持ってきて回ったことが何か自分でも良く分からないけど、ウワッすごいっ若手俳優だ(若手俳優です)って思ってそこに一番泣いてしまった。これ書いてて絶対何言ってんだコイツって思われてそうだなと思いながら書いてます。

 

ツイッターもめちゃくちゃ頑張ってこまめにツイートしてるし、自撮りも写真もめっちゃあげてくれるし、もう毎日すごいすごい!!!って気持ちでテンション爆上げなんですよね……。そもそもがこまめにツイートするタイプじゃないのに、朝昼晩ってツイートして公演後には自撮りもあげてくれてるだけでマジで供給過多すぎて魂抜けそうなのに、自撮りが毎公演どんどん進化していってて、ただの自撮りからポーズのバリエーションが出来、表情もほぼ無表情だったのがどんどん亀甲さんとしての表情になってきて、推し…2.5俳優になっている…………。先日のLINE LIVEでもめちゃくちゃ真剣にどういうツイートしてほしい?どうやったらフォロワー増える?っていっぱい聴いてていや真面目じゃん………今までSNS苦手で避けてきたけどファンの皆さんに甘えてましたね!みたいなこと言ったときあまりにそれなすぎてゲラゲラ声出して笑ってしまったけど。自覚あったんだな……というかそのことに気づいたことがすごい!って思うので、やっぱり甘やかしていることになるんだろうか。

パンフに「亀甲さんと出会って人生が変わろうとしている」という旨のことを書いていて、推しも今自分の周りの世界が少しずつ変わり始めていることを感じていて、だからこそ今こんなにも推しが懸命に頑張っている姿を見せてもらえてるんだなと思うと、本当にずっと応援してきてよかったって思います。私も推しが刀剣男士として舞台に立てることがこんなにもドラマチックでたくさんの人に肯定される世界になるなんて正直半年くらい前は微塵も想像していなかったです。まぁまだ公演は続いているし、綺伝本編もこの先あるから、その先がどうなるかなんて推しも私も誰も分からないけれど、推しが今この瞬間に頑張っている事、それを沢山の人が観て、推しが肯定されている世界が本当にすごくて、うれしくて、その瞬間を観ていられることが本当にしあわせだなって思っています。

本当ならもっともっとたくさんの人が劇場に足を運べて、推しのお芝居をリアルタイムで観ている人がもっともっといたんだろうなと思うし、観に行ったこと自体を口にするのも少し憚られるようなご時世なことだけが悔しいなとは思います。でも逆を取れば、今回の科白劇と綺伝、2回も刀ステに出演できることが決まっているようなものなので、それは不幸中の幸いとしてありがたいことなのかな。綺伝の時は、もっとたくさんの人が劇場で推しの芝居を観て、私も心から何の心配もなく推しのお芝居を楽しめるようになってたらいいのになぁと思います。

 

馬鹿みたいに長くなったな……。

推しのことも抜きにしてもとても良い舞台だったので、ぜひ!千秋楽配信を!!観てくれ!!!私がオススメするような立場の人間ではありませんが!よろしくお願いします!!!!!