世界で一番推しが好き!

たのしいおたくのせいかつ

天才てれびくん the stageを観てきた話

ちょっとご縁があって「天才てれびくん the stage」を観劇してきました。

と言っても私天才てれびくん全く観たことがないんですよね。いやじゃあなんで観に行ったんって感じなんですけど。出演されてるキャストさんは大体全員知ってる!みたいな感じ(推しくんと共演した人が半分以上)だったけど、こんな天才てれびくん初心者の私が行って楽しめるんだろうかとか、アイツモグリだぞ!!!って袋叩きにされないだろうかと原作未履修に罪悪感抱くオタクみたいな感覚で行ってきました。何と戦ってるんだ私は。

 


客席には親子連れもちらほらいたけど、そういう層でもしっかり理解して楽しめる内容だったと思います。伏線もあるにはあるけど分かりやすいし、悪役だと思っていたら実は…ってなって最後はみんなで力を合わせてボスを倒すぞー!ってヒーローショー的な単純明快、コミカルで爽快なストーリーでした。

下町でロケット作るとか、テニスのミュージカルをとか、元の放送局を思うと大丈夫かと思うネタもあったけど普通に声出して笑った。ドクターXって言っちゃったしな。テレゾンビ党の3人の武器も刀とピストルはまぁいいけどラケットはダメじゃない??!?ヘアバンドにジャージ肩掛けしてるし。その辺は結構攻めてて面白かった。


大人になったてれび戦士たちが、自分たちがてれび戦士だった記憶を忘れ、テレゾンビたちによる「つまらないこと」が蔓延している世界でつまらなく生きていて、だけどある日その記憶を取り戻し、楽しくて笑顔になれるテレビを取り戻そう!と立ち上がり…というお話で、ストーリー的には私みたいに天才てれびくんを知らなくても普通に理解して楽しめたんですけど、いやでもこれ子どもの頃天才てれびくん観ていたかったな~~!!というのが一番の感想でしたね。

ストーリー上で「天才てれびくんを観ていたら分かる」系のネタは多分あったと思うんですけど、でもそれは全然大丈夫なんですよ。普通にお話的にそれで矛盾や疑問も生まれることもないので、「天才てれびくん知らなくても楽しめるよ!」と観た人が言うのは全く間違えてないと思います。実際私もそうだし。でもね、やっぱりこの舞台の一番のエモと楽しさはそこじゃないだろうなって思いました。

あの舞台は多分、天才てれびくんというコンテンツをめちゃくちゃ愛してめちゃくちゃ楽しんでいた人達じゃないときっと受け取れないエモがあると私は感じたんですよね。単純に「このネタ懐かしい!」っていう話じゃなくて、それをもう一個飛び越えたところにある、知っているからこそ感じられる、なんていうのかな、劇中でも昔つらいこともいっぱいあったけど今思い返すと全部楽しいってくだりがあるんだけど、その昔の思い出に天才てれびくんがあるのかどうか、その共通言語のような感覚があるかないかって全然違うんじゃないかなって。すごいふわっとしているけど懐かしさとか、そこから込み上げてくる子どもの頃の思い出と、大人になった自分がもう一度天才てれびくんに触れている感覚?私はそれ自体は分からなかったけれど、こう、壁一枚向こうであぁきっと今の瞬間感じられるのはきっとそういう感覚だっていうのを何故か感じたんですよね。

すごく感覚的な話になってしまうけれど、多分、子どものころに感じた、受け取った楽しさや夢を、大人になった今、大人になったてれび戦士たちと一緒に追体験することがあの舞台の一番のエモさなんだと思います。舞台のキャッチコピーの「大人になった君たちへ」の通り、舞台の上で大人になったてれび戦士のみんなと同じように大人になった天才てれびくんの視聴者が、もう一度天才てれびくんの世界を、楽しさを思い出す、劇中の思い出のひとつに天才てれびくんがあって、そこで客席と舞台上の思い出が重なるんですよね。それって10年以上に渡るすごい伏線みたいな気がして、だけど私はそれを外野から「きっとそうなんだろうな」と思いながら観ることしかできなかった。キャストのみなさんが本当に楽しそうで、天てれってコンテンツをめちゃくちゃに愛していることがすごく伝わってきからこそ、その情熱や愛情を自分の記憶に重ねることができないことも、もう大人になってしまってからじゃその時間を絶対に取り戻せないことも、何だかすごく遠くに感じてしまうような寂しさを感じてしまったんですよね。あぁ子どもの頃に天才てれびくんに出会えてたらなぁって眩しいくらいに楽しそうな舞台上を観ながら思いました。

2.5舞台や実写化映画なら後から原作を読んで理解する事はできる。ジブリやディズニーのように、子どもでも大人でも楽しむコンテンツもたくさんあります。だけど、天才てれびくんは子どもだったその時に楽しんでることこそが、何よりもの価値があるコンテンツなんだと思います。大人になった今、天才てれびくん見ても(見た)大人としてしか見れないんですよね。子どもとして、てれび戦士たちと一緒に楽しんだ思い出を持って大人になった人たちだけができる追体験、思い出、共感がそこにあるのだと私は思いました。これは別にそれが良いとかダメとかではなくて、そういうコンテンツなんだなという気づきの話です。そういう子どもの頃のキラキラした思い出を、きっと想起させてくれる同じキラキラが、大人になったてれび戦士たちにはあって、それが本当に眩しかった。

 

ストーリーとか演出がどうみたいな話をすると、まぁ全年齢向けってこともあるのでうんそうだね、って感じではあるんですけど、でもそれ以上になんかどこかの誰かの大事なキラキラした思い出を、遠くから観ているような感覚でした。

あと後方席だったし先述の通り親子連れもいるしでも若手俳優のオタクと思しき方もいるし、天才てれびくんのガチファンみたいな方もいて、客層がめっちゃ不思議だったんですけど、まぁ民度がいろんな意味ですごかった……携帯切らないとか仕事か前のめりとかもう後半なんか慣れた。でも隣の人がそれまでは普通に観てたのに、推しと思われるキャストさんがメインのシーンで突然ブツブツ一緒にセリフを呟き始めたのはちょっとマジで戦慄しました。そのシーンが終わったら水飲み始めるからお前ひと仕事終わった感出してんじゃねーーーよ!!?!??!って言いそうになったけど我慢した。本当にあった怖い話。

ていうか歌がめちゃ良くて、歌だけもう一度聴きたい。タイムマシーンで行こうだったかな?(教えてもらったので訂正したすみません)2回しか聴いてないのにすごい耳に残るし、昔歌っていた歌を大人のてれび戦士たちが歌うのもきっとまたエモいんだろうな~~と思いながら見てました。

 

思っていた以上に面白かったからもう一度観たいくらいなんですけど大阪公演はモリステとどんかぶりという。この時期舞台重なりすぎわろた。土日はモリステに行っていたので、そっちもまた感想書きます。