世界で一番推しが好き!

たのしいおたくのせいかつ

青山オペレッタ THE STAGE ~ルーナ・ピエナ/満ちる月~ の話

前から思ってることだけど、青オペはマジでビジュアルをどうにかしたほうが良いと思うよ!!!!!なんか加工が強すぎるのとなんとも言えないセンスで逆に安っぽく見えてるの本当に損だと思う。

なんやこのビジュアル。もうちょっとなんかあったやろ。いや悪口かもしれないけど、本当にビジュアルのせいでめっちゃ損してると感じるからマジで怒る。

長衛輝夜くんは生で観るともっと可愛いです(そこなん?)。

 

 

本当にパッと見の第一印象で舐めないで頂きたいんですよ本当に………マジで……初演の時も思ったけど、正直この規模感と第一印象では想像つかないくらい丁寧に手間とお金がかかってるので本当に良かったんです今回もマジで。

 

前回は配信で観たので今回さくらホール初めて行ったんですけど、2階席はほぼ最前のみであとはガラガラで、私はキャスト先行二次で2階席最前を出したので実質……キャスト先行以外チケット出てたんか……??いや私が心配するようなことではないが。

さくらホール、2階席はちょっと高くて青年館みたいな画角だったけど、1階席は傾斜も適度にあってすごく見やすいしキレイな劇場でした。印象は小規模な銀河劇場って感じ。

 

oow99.hatenablog.com

前回の感想はこちらです。設定とかは割愛しますが大体男性版宝塚です。

 

前回は青山オペレッタ100期生のみで結成されたチーム・ノーヴァの結成から初公演までの物語が一幕、二幕は初公演である十二夜の上演とレビューという構成で、今回も構成は同じ。物語の主役はノーヴァの先輩チームであるピエナの人たち。

 

ピエナは青山オペレッタが作られた当初からあるチームなので今回の公演は100周年記念公演でもあるため、世間の注目度もかなり高い公演なのですが、その上演を巡って新しいトップスタアの美園爽人と、ベネラ(女役)のトップである聖波留が激しく対立して、本当に上演できるの~~?!?という感じのストーリーです。

そもそも、美園の前のトップスタアだった加賀美はノーヴァが結成するにあたり、ピエナからノーヴァへの突然の異動を命じられた経緯があり、その空席にナンバーツーだった美園がスライドで収まる形になったことに聖は全く納得しておらず、何かにつけて2人は稽古中も対立してまぁ本当に最悪なんですわ。

ノーヴァはお互いの家庭環境や生きてきた道が違いすぎて分かりあえるわけない、ってところがすれ違いの原因だったのでお互いを知って話し合えば仲良くなるのも必然だったし、技術的な差が軋轢を生んでいたり、それがそれぞれの長所と成長につながっていく感じだったけど、ピエナの人たちはみんなノーヴァよりもずっと経験も技術もあってレベルも高くて、自分がやってきたことにも自信もプライドもあるが故にぶつかり合うから途中でこれどうやって仲良くなるんだ……ってハラハラした。

 

 

今回、ピエナの100周年記念公演で選ばれた演目は「ナブッコ」。元々オペラとして作られた作品を、演劇として再編成して上演するのですが、元がオペラ故に登場人物の心情の解釈が難解な部分があり、それを脚本兼演出家の八木尾は稽古での役者の演技を見ながら脚本の解釈を決めるというメチャクチャな手法に出ます。

この八木尾さんマジでやることメチャクチャなパワハラ男すぎてヤバイ。役者の誰よりも声でけえし普通に怖い。ノーヴァ付きの演出家の槙さんがめっちゃ優しいからピエナめっちゃ体育会系で怖い。結局演劇バカのいい人なんだけど演劇を理由にしたら何やってもいいと思ってるタイプ。声がデカいから怖い。いい人なんだけどマジで声がデカい。

で、「ナブッコ」の最大の難関が、主役である王のナブッコと、その娘であるアビガイッレの和解のシーン。それぞれ美園と聖が演じるのですが、アビガイッレは愛する人も王位も妹のフェネーラに奪われ、父であるナブッコとフェネーラへの復讐心から2人を貶めて王位つくのに、最後には2人に赦しを乞いながら自害をする、その和解の経緯が原典には描かれていないため、そこをどう解釈し、表現するのかが上演への一番の壁になっていました。

 

ナブッコ」、私は全然作品自体を知らないまま観に行ったのですが、まぁ話が難しい。それに比べると前回の十二夜って作品自体も結構メジャーで、ストーリーも現代でも共感も理解もしやすい話だったのに対して、今回は戦争とか民族や宗教の歴史的な背景もめちゃくちゃ絡んでくるからマジで難しいんですよね……

青オペの親切なところはちゃんと劇中で上演する演目の設定とかあらすじをこれでもかって説明してくれるところで、今回もマジで親切だったし、今回は稽古の場面でも「ここはこういう場面だからこういう心情を表現して…」みたいなやりとりを入れることで劇中劇の解説にもなっていて、先の通り、クライマックスのナブッコとアビガイッレの和解のシーンは「ナブッコ」で一番心情の表現が難しく、見ている側にも理解しづらいシーンを美園と聖の対立に重ねて、一幕でしっかりとその難解な点をつまびらかにした上で二幕の劇中劇へ移行するようになってたのは本当に上手いな~ってなりました。

一幕のストーリーを見ることが「ナブッコ」自体の理解にも自然とつながっていたから、劇中劇の流れやセリフが多少難解でも「ここはさっき稽古シーンでやってたあの場面だ」っていうのが分かりやすいんですよね。

 

前回の十二夜もミュージカル調というか、ただストーリーの間に歌が入るようなミュージカルではなく、セリフもほぼ全部歌になるようなタイプのミュージカル仕立てになっていて、しかもみんな歌上手くて青オペの本気度を感じました。ぶっちゃけ矢部さんジェイミーよりも歌ってたしジェイミーよりも歌上手かったが………(言うな)。

 

正直、この規模のいわゆる若手俳優舞台、しかも本編ではなく1時間足らずの劇中劇なわけで、それに対して本気を感じさせるレベルのクオリティを出してくるのがマジで意味が分かんないんですよね……。

衣装も音楽も歌も芝居も、本当に「100年の歴史のある青山オペレッタのトップチームの記念公演」として理解できるレベルのクオリティを出してくる青オペの本気度が凄い。

クライマックスでナブッコ王が出てきて美園が朗々と歌い上げるシーンとか鳥肌が立ったし、アビガイッレが服毒して息も絶え絶えに赦しを乞いながら歌うシーンもあまりに切なくて涙が出てくるし、いや「ナブッコ」2時間やれよ……くらいの気持ちになった。

歌唱指導もしっかり入ってるのを感じたし、多分キャストさんたちの力量にプラスして、上手く聴かせる音響さんもすごいと思うアレ。素晴らしかった。

 

 

あとレビューも良かった!レビュー見るとレビュー最高!!!!って気持ちになる。

今回ノーヴァのベネラ組がお休み(イタリア留学という設定)だったので、ノーヴァのレビューではピエナのベネラの人たちが入ってたんですけど、輝山くんも設楽くんも特別キーが高いわけじゃない(高いわけじゃないのにちゃんとベネラなのがすごいんだが)から、長江くんのパートとかしんどそうだったのがちょっとかわいそうだった。長江くんのキーが高すぎるんだわ。

ピエナのレビューがめちゃくちゃ良くて、やっぱりフルメンバーのレビューってマジで楽しいしうれしいし最高なので、ピエナがうらやましくて、ノーヴァ全員揃ったレビューが観たいよ~~~~の気持ちが強くなってしまった。

 

 

今回もめちゃくちゃ面白かったけど、やっぱりノーヴァが好きなので、ノーヴァがメインの続きの話が観たいし、ノーヴァが全員揃ったレビューが観たい………斎さんのパートナーはあさひじゃなきゃ……みたいな気持ちにもなったので、次はノーヴァメインの話をお願いします何卒。

ちなみにノーヴァの人たちはこの100周年記念公演に客演的な形で参加することになるんですけど、美園と聖の対立やら演出家の八木尾さんのメチャクチャなやり方に巻き込まれて本当にかわいそうかわいい。でも加賀美さんの存在ももちろん、ノーヴァだからこそ関わる意味やノーヴァだからこそできたことの表現もちゃんとあったので良かった。

ピエナ組と対比すると本当に良い意味で幼くて可愛いんですよねノーヴァって。仲が良くて、お互いのことが大好きで、信頼してて、それを言葉にできる素直さやポジティブさがノーヴァの良さだと思うし、その手を取り合って歩んでいけるノーヴァの良さがピエナと対比されることでより良く見えて本当に可愛かった。前回よりみんなめちゃくちゃ仲良くなってるし。

長衛輝夜くん、矢部さんが演じてることを抜きにしても私があまりに好きすぎるタイプだから困る。口が悪いのに礼儀正しくて真面目なタイプ大好きですありがとう可愛い。今回、輝夜くんより小さいあさひと桐久がいなかったから周りが巨人しかいなくてめちゃくちゃ小さく見えてとても可愛かったです。

 

 

青オペ!配信ありますので!!もし興味あったら観てください。絶対損はさせませんので!!!!!!24日まで見れます!!!!!!

stage-aoyamaoperetta.com

(上演パターンのA・Bっいうのは劇中劇の終演後に出てくるのがピエナかノーヴァかの違いと、レビューの内容(曲順とノーヴァの曲)が違うだけなので、本筋に大きな違いはないです。)

 

コンテンツ自体の派手さや規模の大きさってなると確かに少し足りないところはあるかもしれないけど、きちんと妥協なく丁寧に作られた面白い舞台が観たい人にめちゃくちゃオススメしたい青山オペレッタ。ただの男性版宝塚に終わらない面白さがあると私は思うので、マジでみんな観て……頼むから流行ってほしい………。